日本語文章ルール 「14:間違えやすい語句(7)」

間違えやすい語句(7)

変換ミスや覚え間違いの多い言葉をいくつかご紹介します(さらに続き)
意外とまちがって覚えている言葉ってまだまだあります

【喧々囂々(けんけんごうごう)/侃々諤々(かんかんがくがく)】
けんけんがくがく、かんかんごうごう⇒×
■もうどれでもいいやん…!?という気になりそうな、似た文字の多さですね…。たしかにわかりづらい!
■「けんけんがくがく」は文化庁が誤用としているため、試験対策では×!としっかり覚える方がいいかも。
■「喧々囂々」は感情的な「ケンカ腰」、「侃々諤々」は多数の主張が「議論として」ぶつかりあうイメージでしょうか。
■とにかく口<くち>がいっぱいある漢字が多いですね。いかに各自が発言しまくってうるさいワーワーした状態かが漢字だけでもイメージできますね。

【絶え間ない努力】
絶えまざる努力⇒×
絶えまぬ努力⇒×
■「絶える」「間」が「ない」ということなので「絶え間ない」は文法的に○。
■「弛まぬ<たゆまぬ>努力」と混同されて「たえまぬ努力」が登場したようですが、誤用。
■「絶える」という動詞に「絶えま」という活用形はないというのがポイント。

【泥仕合】
泥試合⇒×
■「泥仕合」という語句を見つける方が大変なくらい「泥試合」のほうがすでにメジャーに。
■「泥試合」は、文字通りどろんこまみれになって屋外試合(激しいゲーム内容)をしている様を表現するときも結構あるみたい。
■「泥をお互いに掛け合うような醜い争いであるさま」を表すときは「清廉なスポーツ大会」=「試合」ではなく「お互いにやりあう様子」=「仕合」のほうが、適当。

【骨身を削る/身を削る】
■身を削るを誤用とする説もありますが、広く一般語となっています。
■ただ少し意味には差がみられ、「死にそうなくらいひどく苦労する」という意味では「骨身を削る」を、「(苦労していなかったので)今から苦労してはげむ」という意味では「身を削る」を使うことが多いようです。

【願わくは】
願わくば⇒×
■「願わくば」はすでに一般語なので、誤用とはいえなくなってきています。
■正式には「願わくは」ですが、いずれも「願うのは」という意味で使われています。

【白羽の矢が立つ】
白羽の矢が当たる⇒×
■「人身御供としてささげるために犠牲となる少女の住む家の屋根に白い羽の矢が立てられた」ことから「矢」は「立つ」ものとするそうです。本来の意味は「不幸な出来事に選出されてしまう」意味です。
■現在「矢」のほとんどは「(時によいことに)当たる」ものとして使われていますし、「白羽の矢を立てる」という語句の意味は「抜擢」等のプラスイメージで使われることも多いので、史実的根拠の乏しい「俗説」を根拠に「当たる」を「誤用」とするのもちょっと納得しがたいところもありますね…。どっちでもいいやん…と。

【恩に着る】
恩を着る⇒×
■「恩に着る」=「(自分が相手に)感謝する」という意味
■ちなみに「恩に着せる」は「(相手が自分に)感謝する(ようにさせる)」という意味になる。
■「恩を着せる」は誤用みたいですが、もうすぐ一般語になりそうですね…。

【思いも寄らない】
思いもつかない⇒×

【新規撒き直し】
新規巻きなおし⇒×

【相槌をうつ】
合槌をうつ⇒×

【動く歩道】
歩く歩道⇒×
■歩道は歩きませんよね。たしかに。
■とはいっても、商品的ネーミングが「動く歩道」なので、話すもしくは書く相手同士で意味が通じれば、
言葉はお好きに使うのがいいかと。

【遺憾】
遺感⇒×