「書く前の準備」編

ばくぜんと小説は書いてみたいけれど、どうやって書きはじめればいいの…?というかたへ

まずは経験値稼ぎ

自分の心が大きくうごかされたり、めちゃくちゃ悩んだり考えたり、泣いたり、感動したり、笑ったりといった、人間らしい素直な感情をたくさん経験して(見聞きするだけでもぜんぜん違いますよ)、大切に心や頭にストックしていきましょう。

⇒「こんな小説が書いてみたい!」という強い原動力になります。
⇒ただ掲示板で注目を集めるためだけに書き始めると、ちょっとしたことでも心折れて執筆中止してしまったり。

バケツに水をいれていくと、あるとき一気にあふれますね。
ほかでもない自分自身に書きたい気持ちがあふれてもうとめられなくなったときが、小説初心者のタイミングとして、小説に向かい合うときとして最適でしょう。

小説の3本柱

大きく3つのでっかい基礎<きそ>に分けられます。
■登場人物
■ストーリー
■世界(舞台)観
まずは、この3つが正三角形のように等しい配分でつくれるように設定してみましょう。
それができるようになったら、個性的であなたらしい多角形もめざしてみましょう。

小説を書く気持ちの準備ができたら

■書こうとする小説の「目的」=「テーマ」を設定しましょう。つまり、自分自身がめざす今回の「目標」です。

■作品の肝<きも>は「登場人物<とうじょうじんぶつ>」です。練りに練りましょう(生い立ちを複雑にしましょうという意味じゃないので注意)!

■作品全体をつむぐ「鍵<キー>となる言葉」も、小説を書きたいと思った時点できっとありますから探してみてください。
(※当サイトでいう「世界観」とは、「非現実≒SFやファンタジーの世界」ということではありません。舞台よりもっと広がりをもたせたかったので「小説の展開される舞台」=「世界」観と表現させてもらいます。わかりづらくてごめんなさい!)

■いくら素晴らしいキャラクターと世界を用意したところで「ストーリー」がグダグダではもったいない!
あらすじ(その小説で絶対重要なシーンの数々)の数や順番を、ととのえましょう。※「プロット」編で説明します

■執筆に必要な日数をおおざっぱに割り出して、現実の自分の生活スケジュールに無理が生じないよう「調整」もしておきましょう。みなさんの現実は、ネットと違って過去の内容を直接書き換え(修正)することはできません。当サイトで執筆か、現実か…と悩んだら、絶対に現実を優先してください!これは本当に大事です。

取材をしよう

わからないことについては、できる限り調べて「迫力」や「説得力」をもたせましょう。
ただ「調べるのがめんどくさい」という理由だけで取材をしないでいると、執筆するときにものすごく苦労します。
とくにメインとなる事柄について取材をしないのは、致命的です。
意外な発見やすばらしいアイデアや人との出会いもあったりするので、取材(見たり行ったりして調べること)は大好きになるといいですね。

イメージだけで現場を描こうとすると「うそ臭い」「誤った」「はしょった」印象になるほか、一定の文量すら満たせず筆が止まってしまう→もう書けない!という事態に陥りやすくなります。

ネット上に投稿する以上だれが読むかわかりませんし、排除はできません。
作者の意図しないところに読者が違和感をもつ事態をなるべく避けるためにも、いきなり完璧な取材など目指さず、ざっとおおまかに調べて「実態はこういうかんじらしい」「執筆時のあのシーンで参照したいな」など、今回書くのに必要な分だけの理解をするだけでも、今までよりもずいぶん執筆が楽に感じるはずです。

学生のみなさんが「学園もの」「実話」をよく書いているのは、すでに「取材済み」の舞台だからです。
自分が現実に体験・経験したことは書くのは気持ちが楽ですよね。
書き出しで気持ちが重くなってそのまま頓挫する原因は「取材をしていないか足りない」のかもしれません。

わからないことを放置しない習慣をつけてみよう

試験を受ける前に、授業を聞き出題範囲を知り問題を解き、目標達成のための努力をします。
小説も同じで、執筆に必要と思われる範囲や内容について書物やフィールドワーク等で調べておくとスムーズに対応できます。

知識がない状態が悪いというのではなく、努力しなかった自分への後ろめたさが積み重なるとその後の執筆姿勢をネガティブにしてしまう点が心配されます。
懸命に調べ努力して作り上げた人たち(の作品)に対する妬みやひがみの気持ちに囚われ、相手をつぶそうと貴重な時間を浪費してしまっては、だれもが悲しいです。

調べた内容以上に「調べようと努力した時間が作者自身の心の宝」になっていきます。
もともとほかの誰かがちょっかい出せるような領域ではありません。
小説で自信がもてないときは、まずはわからないことを少しずつ調べていくことから始めてみましょう。

《例》
ベテラン医者と新米看護婦の物語
⇒そもそもなぜ看護士、医者という設定が必要?
⇒「余命○ヶ月です」「ご臨終です」シーンだけでなく、実際の医療の現場はほかにどんなものがある?

テレビや雑誌等のインタビュー記事をみたり、本を読み調べたり、その時代の社会的背景を調べたり、執筆の前にやることいっぱいのはずです。

「取材をする(調べる)習慣」は、何事においても役に立つ姿勢です。
小説を書くためだけではなく現実の自分自身のために、身に付けておいて間違いはないと思います。

では、次のステップへいきましょう。