部活の先輩に恋をして、それから・・・(1)
部活の先輩に恋をして、それから・・・(1)
- 日時: 2024/12/30 20:50
- 名前: しろねこ
ずっと楽しみにしていた。今日は、ついに部活動の本格的な活動が始まる。
登校前から、ドキドキが止まらない。私が希望している部活は、どんな部活なのか。
早く活動の時間になってほしい、早く・・・!
私は、辻村百生(つじむらももせ)。この春に、明光中学校に入学した。
この日までに、いろいろなことがあったけれど、特に大きな事件もなく、楽しみにしていた本格的な部活の日を迎えられた。しかし、部活動が楽しみなあまり、授業の内容は全然入らなかった。
自分がずっと前から望んでいた部活ができるんだもの、そりゃあ楽しみに決まっている。私は、時計の針をひたすら見つめた。16時になるまで、ずっと、ずっと、見つめた。
ついに、約束の16時になった。16時になった瞬間、私の心の中で、何かが弾けた。パーンと、風船が割れたときのように。今までの期待がモヤモヤになっていたようで、そのモヤモヤが弾けたときに、すっきりした気持ちになった。
教室での帰りの会が終わったあと、私はそそくさに教室を出て、部室に向かった。部室は、3年棟にある。3年棟には先輩しかいないので、入学したての1年生には、行くのにすごく緊張するはずだ。しかし、私はそんなことは気にもしていなかった。とにかく部室に向かうことだけを考えていた。地味に長い階段を、ひたすら上がっていく。
私が入部する部活は、パソコン部だ。小学生の頃から、パソコンに興味があって、その時から、中学校はパソコン部に入りたいと思っていた。その部活なら、タイピングやプログラミングなど、身につけたい技術が身につけられる。そうしたら、得意な分野が増やせる。私にとってはプラスなことばかりだ。親は真っ直ぐ入部を認めてくれたが、親戚には
「せっかく運動神経が良いんだし、小学校の頃は運動部だったんだから、運動部に入ったらいいのに」
と反対された。確かに、小学校の頃は運動部だった。しかし、なかなか上達しなくて、嫌な思いばかりをしてきたから、もうこんな辛い思いはしたくない。私は反対を押しのけて、パソコン部に入ることにした。私は、自分で決めた道を歩むことにすると決めたのだから。
部室についた。部室につくまでの時間が、すごく長く感じられた。上履きを脱いで、部室に入る。期待の反面、不安を感じた。今までは、ただ部活を楽しむことだけを考えていたが、今では、先輩と良い人間関係ができるか、部内で浮かれないかを心配しているからだ。
部室内は、すごく暑かった。でも、暑く感じるのは、自分が汗をかいているから。
やがて新入部員が集まり、お互い挨拶をするときになった。
「新入部員の皆さん、こんにちは。僕は、部長の千原(ちはら)です。」
「副部長の釜元(かまもと)でーす!」
「この度は、このパソコン部に入部してくれて、本当にありがとうございます。活動日が少ないのと、3年生は来年の春に卒業してしまうことで、全員とは短い期間しか活動ができませんが、困ったことがあったら、全力でサポートします。なので、これからよろしくお願いします!」
「よろしくお願いします!」
先輩がみんな優しそうな人たちで、本当に良かった。部長と副部長は、どちらも男子で、部長は見た目と口調からすごくしっかりしていそうだ。副部長は、妙にすごく微笑んでいて、浮かれているような感じがするけど、優しそうだから、問題ないだろう。
部長と副部長に案内されて、席についた。見た目は、普通のデスクトップパソコン。大概の学校にはあるようなパソコンだ。さっそく電源をつける。電源に触れるだけでも、興奮した。これから、ここで活動するんだ。すごく充実した部活動にしたい。小学校の頃みたいに、惨めな思いをしないように。部活選びも徹底したんだから、ハズレじゃないと良いな。
電源はついたものの、久しぶりにパソコンを触るもんだから、操作があまり分からなかった。この頃パソコンを触っていなかったから、忘れていた。そうだ、近くにいる副部長に助けを求めよう。
「あっ、あの!調べものって、どうやってやったら良いですか・・・?」
「ん?ああ、それは、ここ開けばできるよー!また困ったことがあったら、遠慮なく聞いてね!」
「ありがとうございますっ!」
聞けた。私はすごく人見知りだけど、副部長に聞くことができた。しかも、優しく教えてくれたから、安心した。あと、副部長がかっこよく感じた。輝いて見えて、タイピングも私よりとても早かったから、すぐさま憧れの人になった。でも、先輩には負けたくない、副部長のようになりたい。そう思ううちに、やる気が出た気がする。
そして、副部長に恋をした。世間的にはモテない方なのかもしれないけど、私にとっては、優しくて、イケボで、顔も良いと感じた。いつの間にか、彼だけに目を追うようになって、SNSをやっているか確認したり、ちらちらと彼に視線を向けることが多くなった。彼に視線を向けられると、緊張のあまりに、胸の鼓動がとてつもなく大きくなる。
後々分かったことで、彼は、野球が好きだということが分かった。好きなものが合うなんて、私はなんてツイているんだろう。私も野球が好きだから、とても気が合いそうだと思う。もしかしたら、これが、仲良くなるきっかけになるかもしれない。早く、彼と仲良くなりたい。そして、両思いであってほしい。
私の長い恋物語は、ここから始まった。Page: [1]
Re: 部活の先輩に恋をして、それから・・・(1) ( No.1 )
- 日時: 2024/12/30 20:43
- 名前: しろねこ
なるべく投稿できるときには、投稿しようと思います。
よろしくお願いします。
Page: [1]
小説を書く・読む
スポンサード リンク