小説 映画ドラえもん のび太の新恐竜


 小説 映画ドラえもん のび太の新恐竜

日時: 2024/12/22 12:20
名前: あかわあ

原作 藤子・F・不二夫
脚本 川村元気
著  涌井 学

-プロローグ-
「わあーっ!」
のび太は腕を広げ、大きく胸を張ってあたりを見回した。そこらじゅうに背の高い木々が茂っている。葉っぱなんかのび太の頭くらいあるし、とにかく何もかも大きい。
「ここが! 恐竜たちの世界なんだね!」
何か大きなものが動く音が聞こえてきた。針葉樹の森がグググと左右に割れて、そこからぬうっと巨大なものが顔を出す。のび太はまばたきができなくなった。岩みたいな肌。木々の幹のしなる音。その何かが一歩進むたびに大地が震える。
「うわあーっ!でっかーい!」
ゾウみたいな形をした赤茶色の体。長い長い首の先には不釣り合いなくらいに小さな頭がついている。まん丸で黒い目が光を反射しながらのび太を見ている。人差し指を立てながらスネ夫が解説してくれた。
「あれがアラモサウルス。今からだいたい一億四千五百万年前から六千六百万年前までを白亜紀っていうんだけど、その白亜紀の最後の頃に生きていた恐竜さ。全長はなんと三十メートル!」
見上げるだけで首が痛くなる。赤茶色の長い長い首がゆっくりと持ち上がって、はるか上に影になった荒もサウルスの大きなあごが見えた。針葉樹の葉っぱをもりもり食べている。あごが動くたびに大きな木がギシギシ揺れて、バサバサ葉っぱが落ちてくる。まるでビルが動いているみたいだ。
「ながーい首とながーい尻尾がかっこいいでしょ! 両脚類って言うんだ」
スネ夫がまるで自分のペットみたいに言ってくる。でもそんなのぜんぜん気にならない。体が震えた。すごいすごい!がっしりとした前足だけでぼくの何倍も大きい。こんな大きなものが動いているなんて信じられない。アラモサウルスの頭の向こう側に青い空が見えた。そこを黒い影がサアーッと横切る。のび太はさらに目を輝かせた。いまの、鳥じゃない!いまの、大きなつばさの途中にカギ爪がはえてた。あれは・・・・・・!
「プテラノドンだぁ!」
大きなトサカが格好いい。腕の下に張った膜を上手に使って、気持ちよさそうに空を滑っている。

メンテ

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