タカシ


 タカシ

日時: 2021/08/24 11:58
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タカシはゆっくり腰を落とした。広い図書館。本に囲まれながら目の前にある本を手に取り読み始める。推理小説だった。
1時間後、タカシは図書館を出た。タカシにとって、図書館に行くのは会社帰りの日常だった。1時間、本を読むことで心を整えている。外は夕日が綺麗に空に彩られていた。
翌日、タカシは会社に向かった。電車に乗り、移動する。電車を降りると、歩く。会社まで数分だ。
ふと、後ろから肩を叩かれたので、振り返った。そこには、見知らぬ中年男性が立っていた。
「もしかしてタカシくん?」
男性が言う。タカシはその男に見覚えが無かったので、「誰ですか?」聞きかえした。すると男は笑いながら、
「そうだよね、覚えてないか。オレ、有岡小学校の、ダテだよ」
そう言われたタカシは、一気にダテの事を思い出した。目の前にいるのは、中年になったダテだ。
「久しぶりだな!ダテ!誰か分からなかったよ!」

午後6時。朝会ったダテと、喫茶店で会う約束をしたタカシは、入り口で待っていた。するとすぐにダテがやってきた。
「やあタカシくん、じゃあ、喫茶店に入ろうか!」

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 tさんへ ( No.1 )

日時: 2021/08/25 10:59
名前: クロムウェル

なんか最初からミステリーですね!
読んでで不思議な世界だと思いました。
本当にダテはタカシの友達なんだろうか…

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 tさんへ ( No.2 )

日時: 2021/08/25 14:34
名前: 夜風さくら

とっても面白い話!!

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 tさんへ ( No.3 )

日時: 2021/08/25 16:38
名前: 夜風さくら

どんな話になっていくのかな〜!楽しみだよ〜♪

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 tさんへ ( No.4 )

日時: 2021/08/26 16:45
名前: 夜風さくら

感想が、短くてごめんね。時間がなくて、少ししか書けなくて・・・。でも、今は、時間があるので思ったことを書いてみます。私が読んでて、うわ、すごいな、この文・・・、って感動したのは「夕日が綺麗に空に彩られていた」という文です。こんな文章、私の頭じゃ思い浮かばないから。それと、主人公が推理小説を読んでいたのってこれからの話と何か、関係があるんですか?もしそうだとしたら、これからどういう風につながっていくのか気になります!!だって、主人公はダテのことを覚えているから「なりすまし」的なことはないだろうし・・・。だから、どう推理につながるんだろう・・・って。次のお話、楽しみにしてるのでよろしくお願いします。頑張ってください!!

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 タカシ ( No.5 )

日時: 2021/09/25 10:46
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 喫茶店に入るとタカシの隣にダテが座った。
 「タカシくん、今も本、読んでる?」
とりあえず、店員にコーヒーを頼んでからダテが聞いてきた。
 「あぁ、読んでるよ。最近は、会社帰りに本を読むことが習慣になっ
  てる」
そう答えるとダテが嬉しそうに笑う。タカシは、このダテの笑った顔が好きだ。よく、小学生のころ親友だったダテとこうしておしゃべりをしてたなぁ。
 「ダテこそ、何してるんだ?小学校のころ仲良かったのに、ダテが転校してから一度も連絡がなかったじゃないか。ずっと、待ってたんだ
ぞ」
タカシは早口になった。ダテは申し訳なさそうに頭を下げる。
 「ごめんな、タカシ。オレ、転校した後、すぐにお母さんが交通事故
 で死んじゃったんだ。それから、色々あって・・・。気づいたら、タカシに連絡するって約束したこと忘れてた。ごめんな」
もう一度、ダテが深く頭を下げた。ダテの母が交通事故にあったことは、だいぶ前にテレビや新聞で報道されていたから知っていた。
 「いや、いいんだ」
それから、20分ほどダテと話してから別れた。ダテと久しぶりに再会したからなのか、ベッドに入ってからも興奮がおさまらなかった。

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 tさんへ ( No.6 )

日時: 2021/09/27 11:24
名前: クロムウェル

なんか…
BLっぽくなってる気が…
でも面白い!伏線めっちゃある気がする!

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 タカシ ( No.7 )

日時: 2021/09/29 16:18
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「ピロリン」
スマホの着信音で目が覚めた。いつの間にか眠っていたみたいだった。急いで確認すると、昨日交換したばかりのダテからのメッセージだった。
 「起きてる?」
ダテのメッセージを読んで思わず笑った。
 「起きてるよ」
タカシはそう返信してから苦笑した。まるで付き合いたてのカップルみたいだ。
 「よかった。じゃあさ、今から家、行っていい?」
すぐにダテから返事が来た。家!?いやいや、待てよ。家って急すぎないか??もしかして、ダテって・・・。そういう趣味があるのか?俺は部屋の中をきれいに片づけてから返事を送った。
 「わかった。俺の家の住所、送ったよ」

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 tさんへ ( No.8 )

日時: 2021/09/29 18:30
名前: クロムウェル

ダテ…まさかお前…!BLの趣味が!?
家の住所送るの早いな〜…
続き楽しみに待ってます!

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 Re: タカシ ( No.9 )

日時: 2021/10/12 16:28
名前: t

それから、30分くらいすると、ダテが家に来た。
 「あぁ、ごめんな。急に家に来ちゃって」
ダテが申し訳なさそうな表情で言う。俺は首を横に振って頷いた。
 「あの...。相談があって来たんだ。俺、この気持ちになったの、
  初めてで。よくわからないんだけど。俺、タカシにあった日から
  胸がドキドキして...。この気持ち、何?」
と、ダテが言った。

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 タカシ ( No.10 )

日時: 2021/10/13 15:53
名前:

 俺は耳を疑った。やっぱり、予想はしていたものの本当にダテが男が好きだったなんて・・・。俺は、少し動揺していた。
 「え、そうだな・・。うん、たぶんだけど恋をしたんじゃないのか?」
言っていいのか迷ったけど、言ってから断ればいいと思った。
 「え、恋・・・?俺がタカシに・・・?」
ダテが首をかしげる。何に不満があるのだろう。もしかして、俺の勘違いだったのか!?もし、そうなら、恥ずかしすぎる・・・。
 「ごめんな、タカシ・・・」
ダテが謝る。なぜか、俺が振られたみたいになってしまった。俺は、どうしたらいいのかわからない。とりあえず、ダテの次の言葉を待った。
 「確かに、タカシの言うとおり、好きになったかもしれない。ごめん
  な、俺がタカシを好きになっちゃって。タカシは、俺のこと、どう
  思ってる?」
ダテが俺に聞いてきた。これは・・・、本当のことを言っていいのだろうか。数秒悩んだ結果、俺は口を開いた。
 「うん、ダテの気持ちは分かった。正直に言うと、嬉しい。今まで、俺のことを好き、と言ってくれる人がいなかったから、嬉しい。だけど
ダテの気持ちにはこたえられない。実は、俺、片思いしている女性がいるんだ。だから・・、その・・・、ごめん」
  

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 タカシ ( No.11 )

日時: 2021/10/13 16:10
名前:

 しばらく沈黙が続く。この気まずい空気を壊したのがダテだった。
 「そうだよな、ごめんな。本当にごめん。俺は、タカシの恋を応援する
  。だから、あまり気にしないでくれ。これからは、今まで通り普通の
  の友達ってことで」
そうダテが言った。思ったよりもダテがそう言ってくれて俺は心から安心した。
 「ところで、タカシが気になっている人ってどんな人?俺の知っている
  人?あ、そんなわけないか・・・」
ダテが言う。俺はまたまた動揺しながら答える。
 「たぶん、ダテも知ってる人だと思う。覚えていたら、の話だけど。
  覚えてない?小学生のころ同級生だった
   『片岡 三咲』っていう子」
俺がそう言うと、ダテは少し考えこんだ。そして、すぐに
 「あ〜!!みさきちゃんか〜。三咲ちゃん、可愛いもんね。最近、
  会ってなかったけど、タカシは会ってるの?」
ダテが聞いてくる。
 「あぁ、ちょうど今日の夕方、一緒に食事するんだ。もちろん、俺から
  誘ったんだけど。そのときに、告白しようと思ってる」
きっと、今の俺は顔が真っ赤になってるはずだ。ダテの顔もほんのりと赤くなっている。
 「いや〜、何か男同士で恋バナっていいね。でも、初めて恋バナする
  から恥ずかしいな」
ダテが言う。俺もうなずく。
 「ま、とりあえず、三咲ちゃんとうまくいくといいね。心から応援す
  るから」
ダテが俺の背中をたたいた。ダテの手にはパワーがあるのか、勇気が出てくる。
 「うん、俺、頑張るわ」
そう言ったとき、俺のスマホが鳴った。
 「あ、三咲からメールが」
思わず声に出すと、ダテが反応する。
 「三咲ちゃんから何て送られてきたの??」
俺は、メッセージを読んだ。
 「タカシ君、今日の夕方の6時、待ってるね♪」
俺は、胸がどきどきしてきた。こういう気持ちが「恋」なんだ。
 「これは、脈ありですな」
ダテがニヤニヤしながら言った。
 「準備するから、もう帰ってくれ」
動揺を隠すため、ダテを家に帰らせようとする。本当は、準備なんて昨日のうちに終わっていたのに嘘をついた。
 「わかった わかった」
ダテが俺の家を出たとき、三咲から電話があった。

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 タカシ ( No.12 )

日時: 2021/10/20 22:08
名前: t

 迷うことなく電話に出た。
 「もしもし、俺だけど。どうかした?」
三咲にドタキャンされたらどうしよう。そんな考えが思い付く。だが、返ってきた言葉は全く違った。

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 タカシ ( No.13 )

日時: 2021/10/22 16:41
名前:

 「あ、私、三咲だけど。もし良かったら、今からでも会えない?」
三咲の言葉に俺の心臓がドクンと鳴った。
 「も、もちろん。どこで待ち合せようか。近くの公園?」
俺がそう返すと、三咲がフフッと笑う声がした。何か笑われるようなおかしいことでも言っただろうか。不安になっていると三咲が言った。
 「よかった。てっきり、断られると思ってた。安心した。そうだね、近
  くの『みさき公園』で待ち合せね!10時半くらいに集合!」
まさか、こんな午前中に三咲と会えるなんて思いもしなかった。今の俺の顔は真っ赤なはずだ。好きな人と会えるなんて、俺は幸せ者だ。
 「わかった。じゃあね」
そう言って俺は電話を切る。そうと決まれば準備をしよう。服だって、いつものダラけた格好じゃなくて、シンプルだけどかっこいい服に着替えて・・・。髪だってぼさっとしたんじゃなくて、くしでとかして・・・。っと、よし、完璧。鏡の前に立つ。俺の姿を見て満足する。もうこれで、いつでも三咲に会える。
 まだ朝の10時だけど、昨日買った新しい靴を履いてみさき公園へと向かう。三咲、何時くらいに来るかな。ぴったりの時間にやってくるか、少し早くに来るか、遅れるか・・・。まさか、俺より早くにいたりして・・・。
 「それは、さすがにないか」
俺の考えに俺はツッコむ。ところが、みさき公園に着くと。
 「あ、タカシ君!!早いね〜」
すでに三咲が来ていた。俺は思わず立ち止まってしまう。
 「み、三咲こそ早いじゃん。まさか、俺よりも早いとは・・・(笑)」
思わず、笑ってしまう。それにつられて、三咲も笑い出した。三咲の無邪気に笑う姿を見て、またまたドキッとする。これだから、女はずるい。ちょっとした仕草でキュンとさせることができるんだから。俺みたいな男には、何をしてもモテない。残念なことに。
 「うん。タカシ君に早く会いたくて」
そう言う三咲に一歩近寄る。
 「ど、どうしたの!?タカシ君っ!?」
気づくと、俺は三咲を抱きしめていた。やっぱり、俺のこの気持ちは抑えられない。それに、抱きしめてしまった以上、後戻りはできない。
 「俺、三咲のことが好きだ」

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 タカシ ( No.14 )

日時: 2021/10/22 16:58
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 やっと、長年思っていたことを伝えることができた。別に、これでフラれたっていい。思いを伝えずにフラれるよりかは、思いを伝えてフラれたほうが諦めがつく。
 「今の言葉って本当・・・?」
三咲が聞く。
 「あぁ、俺の気持ちに嘘はない」
俺がそう言うと、三咲は可愛らしい笑顔を見せた。そして、俺を強く抱きしめた。
 「ありがとう!実は、私もずっと前からタカシ君のこと、好きだったよ
  。うれしい!!」
まさかの両思いだったことが判明した。こんな、ドラマや漫画みたいな奇跡がほんとに起きるなんて。
 「じゃ、じゃあ、付き合おう」
俺がそう言うと、なぜか三咲の顔から笑顔が消えた。
 「私、タカシ君のことが好き。でも、付き合えないの。本当にごめんね
  。好きなんだけど、今まで通りの友達としていてほしい」
三咲に言われた。どうして・・・。
 「どうして?俺たち両思いじゃん。両思いなのに、付き合わないって
  おかしいよ」
俺がそう言うと、三咲は首を横にふった。
 「ごめん、まだ最後まで言ってなかったね。私、今、好きな人が、タ
  カシ君も含めて2人いるの」
まさかの衝撃告白。三咲に好きな人がいたなんて、俺、そんなの知らないよ。じゃあ、告白は失敗・・・?
 「その好きな人って俺の知っている人?」
違うだろうと思っていた。でも、三咲の口から出たのは。
 「うん。知ってると思うよ。私はね、ダテ君が好きなんだ。片思いな
  んだけどね・・・」
まさかのダテだった。今日は本当に驚くことがたくさんありすぎて、心と頭がパンクしてしまいそうだ。
 「そっか、ダテか。お似合いだと思うよ。俺は、三咲とダテを応援す
  るよ。ごめんな、いきなり変なこと言って。困るよな」
俺は仕方がなく笑う。三咲も困ったように笑った。
 「ううん、いいの。誰も謝ることはないよ。そもそも、2人を好きに
  なった私が悪いんだし」
と三咲が言う。 
 しばらく沈黙が流れた。気まずい空気だ。このまま帰るのもおかしい気がするし・・・。これは、どうするのが正解なんだ・・・。
 「ねぇ、どうする?今日の夕方の6時。一緒にご飯、食べるんだよ
  ね?」
俺は、そのことを忘れていた。どうしよう。たぶん、三咲は行きたくないはずだ。だから、こんなことを言ったのかもしれない。俺から、今日はやめようと言うべきか。そうだよな、よし、言おう。
 「そうだよな、じゃあ、今日は一旦やめ・・」
 「えっ!?」
俺の言葉の途中で三咲が声を上げる。
 「タカシ君は、私と料理を食べるの嫌?」
三咲が上目遣いで聞いてくる。

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 タカシ ( No.15 )

日時: 2021/10/30 16:25
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 想像もしていない質問に俺は耳を疑った。
 「嫌じゃないよ。むしろ、今日が楽しみだった」
告白する前は・・・。ま、その言葉は言わないでおこう。
 「だよね!私もとっても楽しみだったの。だから、食べに行こう?」
三咲が言った。
 「うん。あ、そうだ。本当は今日、夕食を、と思っていたんだけど今か
  ら一緒にランチに行こうよ」
俺がそう提案すると、三咲が笑った。
 「いいね!!どこの店にしようか〜?」
三咲が楽しそうな笑顔をこちらに向けてくる。三咲の笑顔は俺の心を癒してくれる。でも、もう、この気持ちを忘れないと・・・。結局、三咲と付き合えないのなら恋する気持ちを抑えないと。

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 タカシ ( No.16 )

日時: 2021/11/27 09:11
名前:

 「俺、最近できたカフェに三咲と行ってみたいな、と思ってたんだけ
  ど、どうかな?」
俺がそう言うと、三咲は、わかった、と言ってくれた。カフェに着くと、俺はメニューを見て悩んだ。
 「じゃあ、私はコーヒーで。あ、ミルクを入れてくださいね?」
と三咲は言う。俺は、少し悩んでから、
 「じゃあ、俺はメロンソーダで」
といった。三咲は俺に微笑みかけた、ような気がした。俺と目が合うと、三咲は
 「いやぁ。本当にタカシ君ってメロンソーダ好きだよね。懐かしいな
  ー。ほら、あの時もメロンソーダ頼んでなかった?」
と言った。
 「あー、あの時も確かにメロンソーダだったような・・・。ってよく
  覚えてたね(笑)」
そう言いながら、俺はあの日のことを思い出して無言になる。三咲も、あの頃を思い出したのか、無言になった。

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